武雄市文化会館大ホール整備方針の見直しについて
現在、武雄市文化会館は、令和5年3月に策定した基本計画に基づき、新たな文化交流施設エリアとして整備を
進めています。
新文化交流施設については、成人棟・集会棟・小ホール棟の解体後に建設を行い、令和9年春頃の開館を目指し計画どおり整備を進めています。
大ホールについては、改修による長寿命化を図る計画でしたが、計画策定後、一定期間が経過し、状況の変化等による稼働率の低下や概算工事費が物価高騰等により大幅に増額となること等踏まえ、市民や関係者の方々に意見聴取を行いながら、大ホールの整備方針の見直しを行うこととしました。
武雄市文化会館大ホール整備方針の見直しに係る経緯
- 令和2年8月策定の公共施設等個別施設計画で、「大ホールは耐震補強工事をはじめとして長寿命化に必要な
改修を行っていく」と明記。 - 令和3年度に「大ホールについては機能維持程度の改修、新文化施設については建替え」と整備方針を決定。
- 令和5年3月にエリア全体の整備に係る基本計画の策定を行い、総事業費を55億円程度と想定。
- 令和6年度に市議会福祉文教常任委員会において、大ホールの整備方針について見直すべきではないかと
意見が出される。 - 令和6年11月に概算工事費を算出し、総事業費が69.3億円に増額見込みとなる。
(大ホールは20.9億円→29.3億円) - 令和6年12月に議会一般質問において、大ホールの整備方針について、一旦立ち止まり、市民や有識者の
意見を改めて聞き検討する旨を表明。 - 令和7年1月に武雄市個別施設計画市民会議を開催。
- 令和7年1月22日~2月14日に関係団体(文化団体、サークル団体、文化会館運営審議会、校長会 他)へ
意見聴取を実施。 - 令和7年2月に市議会福祉文教常任委員会において、財政負担の過大性や改修に伴う機能性維持と費用の
不均衡の理由から、解体の提案と他施設の活用を含めた文化活動のあり方について再検討を求める旨の
意見が取りまとめられた。 - 令和7年2月に庁内においてアセットマネジメント検討委員会を開催し、大ホールの整備方針案を再検討。
- 令和7年3月に行政改革推進本部会議を開催し、大ホールの整備方針案の変更を決定。
- 令和7年5月14日~6月12日に大ホールの整備方針案についての発表及びパブリックコメントを実施。
- 新しく建設する新文化交流施設と改修する大ホールについて、概算工事費の算出を行ったところ、建設費単価の
上昇、主要資材や人件費の高騰などにより、特に大ホールの改修工事費については、当初20.9億円の想定が、
29.3億円と大幅に増額見込みとなりました。 - これにより総事業費が当初計画の55億円より大きく膨らみ、現時点で下記のとおり見込まれます。
◇69.3億円(新文化交流施設整備費、大ホール改修費、外構・庭園整備費、既存棟解体費、備品等) - 大ホールの稼働率について H20 50.4% ⇒ H30 42.1 %⇒ R5 31.1%と減少し、1000人以上のイベントに
ついてもH30 28件からR5 9件と大幅に減少しています。 - 大ホールの使用料収入について、令和5年度は642万円となっており、文化会館施設全体の管理運営費
約1億2732万円に対して、5%程度。 - 大ホールの収容人数、少子高齢化や人口減少、周辺自治体の施設整備を鑑みると改修後の稼働率の向上は見込み
として厳しいと考えます。 - 県西部近隣20㎞に1000席を超えるホールはありませんが、周辺自治体では令和2年度の個別施設計画策定後、
令和5年度にSAGAアリーナ(約8400席)や鹿島市民文化ホール(約800席)が開館しました。 - 大ホール改修費が当初想定の20.9億円より高騰し29.3億と大幅に増額の見込みとなる。これらを踏まえて
総事業費が当初想定の55億円から69.3億円と大幅に増額の見込みとなっています。加えて、改修後30年間の
利用にあたり、修繕費が12億円程度必要となります。 - 多額なお金をかけて改修する必要があるのか、北方や山内にも500人規模の施設はある。
- 大ホールが必要という意見もあると思うが、稼働率からの検討も必要。次世代の負担にならない
か、喜んでいただける施設として残すべきか考える必要がある。 - 現在の稼働率なら考えるべき。ケーブルワン・スポーツパークでの代替のやり方もあるのでは。
- 現在、イベントの際に大ホールを利用している。新しい施設に300人程度収容できる多目的
ホールもあるが、催しを行うには狭いと感じる。 - 近隣市町にアリーナやホールもあるため、多額の費用をかけてまで改修しなくてよい。
- 大ホールの必要性も感じるが、大きな場で人集めをするよりも、活動の場を広げて、まちなかで
どのように文化活動を行っていくかが重要。 - 利用頻度や人口減少、費用面を考えると、改修しなくていいのでは。
- 大ホールの維持にも維持費がかかると思うが、武雄市やこどもたちのために考えてほしい。
- 新施設に多目的ホールができるが、座席や音響などがそろって初めて芸術に触れられると思う。
大ホールがなくなると同時に何万人もの文化に触れられる機会を失うことになってしまう。 - 現状の予算内でできる改修はないのか。音響が素晴らしいホールなので、できる限り存続させて
ほしい。
武雄市公共施設等個別施設計画(全体編)」一部改訂(案)のパブリックコメント(R7.6.12まで)
エリア整備に係る概算工事費について
整備方針見直しの検討について
整備方針の見直しにあたり、大ホールの利用状況や事業費高騰による財政負担などの背景を踏まえ検討を行い
ました。
大ホールの利用状況
近隣・周辺自治体の施設整備状況の変化
整備に係る総事業費高騰による財政負担
市民への意見聴取での主なご意見
令和7年1月16日~令和7年2月14日にかけて、個別施設計画を策定した際に開催した市民会議や
文化団体などの関係団体、市民の方から意見聴取を実施しました。
いただいた意見については下記のとおりです。
令和7年1月16日(木)個別施設計画市民会議
令和7年1月22日(水)~令和7年2月14日(木)
関係団体(文化団体、サークル団体、文化会館運営審議会、校長会等) ほか
見直しによる整備方針(案)及びこれからの文化活動について
大ホールについては、地域のシンボルとして機能維持程度の改修により、新施設と一体的な利用を図る方針と
していましたが、近年周辺市町に同規模程度の機能を有する施設が開館しており、稼働率の低下が見込まれます。
また、想定を超えた改修費の高騰及び今後 30 年の利用を図るにあたり、相当な維持管理費がかかります。
これらを踏まえて、大ホールについては、「長寿命化」の方針を見直し、「廃止・解体」とします。
なお、大ホールがこれまで担ってきた役割については、文化施設に限らず、他の公共施設の活用及び必要に
応じて機能強化を図っていくことで対応します。
新文化交流施設では、これまで文化活動に関わりのなかった人や若い世代に文化に触れ、楽しんでもらえる環境づくりを行います。また、文化施設に限らず市内の他の公共施設において、施設の特性を活かした利用を積極的に行い、必要に応じて機能強化を図っていきます。
これからの文化活動については新文化交流施設を拠点にまち全体をステージとして捉え、創造・活動の場、交流の場となるよう広げていくことで、更に発展させていきたいと考えています。
【新文化交流施設 共用部イメージ】
日常的に訪れたくなる居場所となる共用部
【新文化交流施設 多目的ホールイメージ】
市民の方々の発表の場や講演会等様々な用途に利用できる多目的ホール(300席程度)